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働き方改革で厚労省も副業禁止から副業推進に
平成29年3月28日の働き方改革実現委員会決定を受けて、厚労省でも副業禁止の流れから副業推進に切り替わりました。
とはいっても、2019年のリクルート社による調査では副業禁止の会社が69.1%と半数以上占めています。
しかし、副業・兼業の促進に関するガイドラインが示され、大手企業が副業を容認・推進するなど社会として副業容認の方向に流れているため、以前のように全面的に禁止のままにしておくことも難しくなりそうです。
副業解禁企業
LINE、ソフトバンク、コニカミノルタ、パナソニック、新生銀行、リクルート、日産自動車、サッポロビール、ゆうちょ銀行、丸紅など日本を代表する大手企業が副業を解禁しています。
副業解禁とはいっても、どのような副業でも可能ということはなく、同業者はNG、機密保持契約を結ぶなど何らかの縛りがあることが多いです。
副業・兼業の促進に関するガイドライン
平成30年1月に作成され令和2年9月に改正されたガイドラインでは、企業側の対応、労働者の対応、副業・兼業に関する制度(労災や雇用保険など)が記載されており、副業の働き方を考える上で参考になります。
副業が解禁された理由
政府が副業・兼業を推進する理由として下記のことが、ガイドライン等であげられています。
- ・人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくため。
- ・副業・兼業はオープンイノベーションや起業の手段として有効。
- ・副業・兼業は第2の人生の準備として有効。
- ・都市部の人材を地方でも活かすという観点から地方創生にも役立つ。
- ・副業・兼業などの多様な働き方への期待。
副業のメリット
副業をする側のメリットとして、収入を増やせる他、スキルアップ、キャリア形成に役立つことがあげられます。
副業を許可する企業のメリットとして、優秀な人材の流出防止ができる、新たな知識や情報が得られるなどがあげられます。
反面、働く時間が長くなる、健康管理に一層気を配る必要があるなど、デメリットもあります。
公務員は副業禁止のままが大半
兵庫県神戸市や奈良県生駒市、北海道鹿部町など一部の自治体で副業を条件付きで許可する制度を導入していますが、大半の自治体では副業禁止のままです。
副業をしているのがバレて戒告処分をされた例もありますので、バレたらダメな副業はしないのが原則です。
副業解禁は就業規則が改正されてから
社会の情勢がどうであれ、会社(本業)の就業規則で副業が禁止されているのなら、副業はできません。
調べてみると就業規則で副業は禁止されているので会社に内緒で副業をやっていたことがバレて、裁判になり解雇が有効とされた判例があります。
ご自身を守るためにも副業解禁は就業規則で副業がOKになってからにしましょう。
また、労働者が雇用されて副業をする場合、原則として「労働時間の通算管理」が必要です。簡単に言えば、残業代の計算方法が変わります。
会社員の副業は労働時間に注意!
会社員の副業でポイントになるのが労働時間です。
昼間は本業で働き、夜間は副業で働くなど無理のある労働をしてしまうと、疲労が蓄積し健康上の問題となることが考えられますので、副業にどのくらい時間が必要なのかを計算してから、副業をするようにしましょう。
また、副業がOKの会社でも、無理な労働時間と予想される場合は副業がNGとなることも考えられます。
ガイドラインによると下記のステップが必要
ガイドラインによると副業を開始するために、いくつかの手続きが必要とされています。
- ・副業・兼業を始める前に、本業の会社に届け出る
- ・本業の会社と副業・兼業について合意する
- ・本業の会社から労働時間の通知を受ける
会社によっても異なりますが、副業ができるまでには、ある程度の時間が必要です。
税金は必ず確定申告するものとするのがベター
確定申告をしなくても良いのに申告した場合のペナルティはありません。逆に確定申告をしなければならないのに申告しないと追徴課税などのペナルティが待っています。
安全策を取るのなら「副業をしたら確定申告をする」のがベターです。
税務署への確定申告は副業による利益(売上ではないのでご注意ください)が20万円以上のときに必要になり、地方自治体への確定申告は副業による利益が1円以上のときに必要です。
副業の働き方の事例
一言に副業といっても、様々な働き方があります。代表的な3つの働き方についてみていきましょう。
副業としてフリーランスで働く
ライターやデザイナー、結婚相談所、仕入れ販売などフリーランス(自営業)として働く方法です。
フリーランスはご自身の都合の良いように働くことができますので、家族で旅行に行く、今週の仕事はオフにするといった柔軟な働き方ができる点が魅力です。
週末の3時間だけ副業をする。平日は30分程度、週末は5時間ほど副業に費やす。など様々な働き方が可能です。
一方、仕事を探す必要があること、時給は高いけれども収入を安定させるのが難しい面があります。
Wワークをしてみる
本業とは別の企業に就職して副業を行う方法です。
本業の他にアルバイトやパートをするイメージで、「週末だけアルバイトやパートをする」「農作業が忙しい時期に日雇い感覚のバイトをする」などがあります。
フリーランスよりも副業を始めるハードルが低く、スキルを学ばなくても始められるため、副業初心者に多い傾向があります。
シフト制や時間が決まっている場合、急な用事で休むことが難しい場面もありますので、フリーランスと比較し時間的融通さは低い特徴がありますのでご注意ください。
また労働時間の通算管理により、アルバイトやパートが可能な時間が制限されることもあります。
フリーランスのようにご自身で営業するなどの手間がありませんので、アルバイトやパートの収入は安定していますが、ガッツリと稼ぐのは難しいといえます。
在宅ワークを選ぶ
在宅ワークの副業であれば、比較的自由に時間を設定して働くことが可能です。土日の2時間だけ働くといった方法もできます。
フリーランスだけではなくアルバイトやパートでの在宅ワークも増えてきており、通勤時間が無いため収入を増やしやすい特徴があります。
ただし、アルバイトやパートの在宅ワークは数が限られていますので、探すのが大変です。
まとめ
働き方という面から副業をみると、フリーランスが最も融通が利き、得られる収入も高くなりますが不安定です。安定した収入を得たいのならアルバイトやパートがおすすめです。
何を目的に副業や兼業をするのか、どのくらい稼ぎたいのかを明確にされてから、ご自身にあった働き方の副業を見つけるようにしましょう。